感想「戦場のピアニスト」
今更ながらに、ロマン・ポランスキーの「戦場のピアニスト」を見た。
一番印象に残ったのは、ナチスの兵士がこともなげに、しかも理不尽にユダヤ人を殺害する場面。
車いすの老人に起立することを強制し、できないと見るや、4階のバルコニーから投げ落とす。
「どこに行くのですか」と質問しただけで、頭を撃ち抜かれる女。
ナチスに殺されたわけではないが、ゲットーの場面では、何気なく行き倒れた人々がさりげなく挿入される。
ポランスキー監督は、そうした凄惨な場面を実に淡々と描いており、それがかえって、戦争の残酷さを浮き立たせることに成功している。
そして主人公のピアニストは、そうした過酷な状況にありながら、それでもさまざまな人々の助けを借りて、奇跡的に生き延びる。それが嫌だという人もいるようだけど、ぶろぐるにはそこに監督の意図があったように思われる。
彼はユダヤ人の声なき声を代弁するために生き延びたのだ。
そう考えてラストを見ると、ピアニストの鍵盤を弾く指は、ナチスの暴政に苦しみあえいだユダヤ人を象徴しているかのように見える。
とにかく傑作である。
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